
キャパシティプランニング (キャパプラ) とは?ステップ別の解説とベストプラクティス
Christopher Bailey
読み取り時間 : 約13分
重要ポイント
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キャパシティプランニングは、チームが特定の時間枠 (通常はスプリント) 内で仕事を達成できるかどうかを判断するのに役立ちます。
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キャパシティプランニングは、行うべき作業を予測し、キャパシティが需要と一致しているかどうかを確認して行います。
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ビジュアルプラットフォームでのキャパシティプランニングは、進行中の作業を視覚化し、追加作業の影響を理解する上で効果的な方法です。
仕事を増やすのは簡単です。プロジェクトマネージャーやリーダーから新しいプロジェクトの依頼があると、チームの現在の業務に無理やり組み込もうとしたくなるかもしれません。
でも、もしチームがすでに限界状態だとしたらどうなるでしょうか。請け負ったプロジェクトの遂行に必要な時間やリソースは実際にあるでしょうか?そもそも、チームが限界に達しているかどうかを判断するにはどうすればよいでしょうか?
ここで登場するのが、キャパシティプランニングです。キャパシティプランニングは、チームが持続可能で予測可能なペースで作業にコミットする上で役立ちます。私は、約20年間にわたり取り組みを率い、数十の組織と協働してきた経験から、成功するキャパシティプランニングの詳細を学んできました。
このブログ記事では、キャパシティプランニングの概要と、チームが自信を持って仕事を遂行できるようキャパシティプランニングを効果的に行う方法を詳しく説明します。
キャパシティプランニングとは?
キャパシティプランニングは、プロジェクトのニーズをチームの作業遂行能力と比較するプロセスを指します。キャパシティプランニングを行うことで、その瞬間の可視性を高め、チームが時間とリソースを最適に割り当てられるようになります。
キャパシティプランニングとは、本質的に、高速道路の渋滞を解決しようとするようなものです。高速道路にできるだけ多くの車を詰め込み、最大限のキャパシティで高速道路を使えば、車は渋滞に巻き込まれてしまい、どこにも行けなくなります。キャパシティプランニングにより、作業の流れが (交通の流れと同様に) 効率的なペースで進めるようになります。効率的にビジネスを運営しようとする際に、キャパシティプランニングはスピード、流れ、納品を最大化する方法となります。
例えば、新しいプロジェクトの要望が出た場合、キャパシティプランニングはチームがその要望を現実的に満たせるかどうかを判断するのに役立ちます。新しいプロジェクトを組み込むために作業を延期するトレードオフを提案するかもしれませんし、新しいプロジェクトにコミットするタイミングを先送りすることもあります。
チームのキャパシティは、チームやプロジェクトのニーズに応じて、財務的制約 (プロジェクト資金など)、時間単位 (時間など)、相対的な見積もり手法 (ストーリーポイントなど) に基づきます。多くのチームでは、キャパシティプランニングに時間や相対的な見積もりを用いています。
キャパシティプランニングのメリット
キャパシティプランニングは、あらゆるチームにとって有効なプラクティスです。キャパシティプランニングのメリットには以下のようなものがあります。
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チームの自信と予測可能性を高めます。その結果、チームは、特定の期間内にプロジェクトを達成できるようになります。また、作業項目に実際にかかる時間を明確に把握し、要求されたペースで提供できるかどうかをより正確に判断できるようになり、将来の計画がより簡単かつ正確になります。
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可視性と透明性を高めます。キャパシティプランニングは、非効率性、過剰なコミットメント、より多くのリソースの投資が必要になる箇所を浮き彫りにします。チームメンバーはチーム全体の余裕を可視化し、プロジェクト計画や意思決定の実際の影響を把握することができます。
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コストを最小限に抑えます。企業は多くの場合、複数のプロジェクトに同時に取り組みますが、キャパシティプランニングは実際にそれを行う財務リソースがあるかどうかを確認するのに役立ちます。また、効率的な計画により、無駄と遅延のコストも削減できます。
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チームにとって持続可能な作業ペースを維持します。キャパシティプランニングは、チームが仕事を詰め込みすぎていることを認識し、余裕を持つことに関する健全な会話を生み出すきっかけとなります。
キャパシティプランニングの実施方法
では、キャパシティプランニングは具体的にどのように機能するのでしょうか?ここでは、私のチームに大きな成果をもたらした、実証済みの手順をいくつかご紹介します。
ステップ1 : すべきことを予測する
最初のステップは、新規または今後のプロジェクトでどのような作業を行う必要があるかを見積もることです。
作業時間、ストーリーポイント、予算の観点から作業量を計算します。使用単位はチームとプロジェクトの範囲によって異なります。繰り返しになりますが、ほとんどのチームがストーリーポイントまたは作業時間を使います。
例えば、見積もりアクティビティの際に、チームで Lucid のストーリーポイントを使って、今後の作業項目に必要な作業量を見積もることもあります。
その後、集計された結果を見て、最終的な見積もりに合意することができます。
新しいプロジェクトに必要なキャパシティを把握したら、現在のキャパシティと比較し、作業量を増やすことでチームの負担が過剰になるかどうかを判断できます。新しいプロジェクトによってキャパシティを超過する場合は、作業の一部を調整するか、新しいプロジェクトを次のスプリントまで残しておく必要があります。
このキャパシティプランニングの第一段階は、ポートフォリオのプロジェクトを見て既存の業務フローに適合する新しいプロジェクトを決める際にも、ポートフォリオレベルで行うことができます。
ステップ2 : 現在のキャパシティを視覚化する
すべきことを理解したら、チームが特定の期間内に達成できることを計算します。この計算は、過去のスプリントで完了した作業量の平均になる傾向があります。例えば、各スプリントに30ストーリーポイントを割り当てるとします。アジャイルチームの場合、現在のキャパシティはスプリント速度、つまりチームが取り組めるペースとして計算されることが多くなります。
ここでは、ビジュアルを使用すると役立ちます。速度チャートとバーンダウンチャートは、計画された作業、完了した作業、残り作業を確認するのに最適です。平均的な進捗状況を理解することで、チームのキャパシティを把握しやすくなります。
速度を計算したら、このステップの第二段階では、現在のキャパシティ (すでに引き出されたもの、あるいは計画しているもの) を可視化します。通常、この可視化はタイムラインでキャパシティに空きがある場所を示すことで実現できます。現在のキャパシティを視覚化することで、速度を損なわずに作業を進められるか、あるいはすでに取り掛かった作業を遅らせる必要があるかを確認できます。以下の例を参照してください。
ステップ3 : キャパシティが需要に合っているかどうかを判断する
今のキャパシティがわかったら、今のリソースが予定作業とどの程度一致しているかを測ってみます。作業を優先順位ごとに引き出して、その都度、チームのキャパシティと照らし合わせます。
多くのチームメンバーは自分たちのペースを理解していますが、作業を割り当てていくにつれて、意欲が高まり、自分ができると思う範囲を過剰評価してしまうことがあります。キャパシティプランニングは、メンバーが各作業項目に本当に取り組めるかどうかを振り返り、自問するための貴重な「振り返りの瞬間」を提供します。健全な会話が生まれ、「いや、もう十分に引き受けているし、いくつかはやめておくべきだ」と言う機会が生まれます。
このステップでは、キャパシティと追加作業の影響を実際に確認できることがとても役立ちます。私は Lucid の高度な計画機能とアジリティアクセルを使って、チームのキャパシティを視覚化し、作業負荷の変化が及ぼす即時的な影響をリアルタイムで把握しています。
Lucid では、タイムラインでもダイナミックテーブルでも、キャパシティプランニング機能をオンにすると、各列の上部に各メンバーを表すキャパシティバーが表示されます。キャパシティバーを見れば、どのメンバーがすでに手一杯なのか、余裕があるのかが簡単にわかります。
現在のキャパシティと予測される仕事量を一致させることで、全員が過負荷になることなく、効率的に働けるようになります。
キャパシティプランニングのベストプラクティス
キャパシティプランニングは一見単純に見えますが、効果的に利用するためにはいくつかの基本的な側面があります。以下に従うべきベストプラクティスをいくつか紹介します。
業務を可視化する
中央の共有スペースを利用して仕事を文書化し、進捗を可視化します。Lucid のような既存の記録システムと自動的に同期するビジュアルツールが役立ちます。Lucid のキャパシティプランニング機能は、Jira、Azure DevOps、airfocus と統合されているため、情報に基づいた意思決定にリアルタイムのデータを使用できます。
Lucid では、レポート図形を使って作業量を追跡できます。プログレスバー、オーナーシップチャート、ワークロードトラッカーを作成して現在または今後のスプリントを視覚的に表現できます。これらの図形を使えば、誰が何に取り組んでいて、どれだけ完了したかを簡単に確認できます。

また、Lucid を使ってスタンドアップミーティングを開催したり、チームスペースを作成してすべてのリソースを1か所にまとめたりすることで、チームの様子を確認できます。作業を可視化し、全員が同じ認識を持つことで、さらに可視性を高め、足並みを揃えることができます。
手一杯になったことを知らせる方法を用意する
チームが犯しがちなミスの一つは、そもそもフルキャパシティに達するとはどういう意味かを理解していないことです。キャパシティの限界とは、特定の速度、ストーリーポイントの上限、財務計画においては予算の上限を指すものです。
チームのキャパシティに関して一貫した基盤を築くことは忘れがちですが、非常に重要です。自分のキャパシティをステークホルダーや他のチームに伝えられるようにしておくと、常に過剰なコミットメントをしてしまうことがありません。チームと協力して基準を確立し、必要に応じて調整しましょう。
過去のデータを活用する
チームがよく犯すもう1つの過ちは、過去のデータから現在のキャパシティを割り出そうとしないことです。作業量を一貫して記録し、チームメンバーや関係者がこの文書にアクセスできるようにします。
キャパシティの見積もりを始めたばかりで、過去のデータがまだない場合は、直感に頼り、仕事量とそれにかかる労力を記録します。より多くのデータを集めれば集めるほど、チームのキャパシティをより正確に見積もることができます。
100%のキャパシティが目標ではないことを覚えておく
高速道路の例えに戻りましょう。キャパシティが100%に達し、車だらけになってしまったら、高速道路を理想的なかたちで利用することができなくなります。
一般的に85~90%の成功率が目標とされるため、OKR も同様にみなされることが多いものです。100%の成果を上げているなら、もう少しできる可能性があるというわけです。
同様に、チームは常に100%のキャパシティで業務に取り組むべきではありません。常に100%のキャパシティを維持しているなら、時間とリソースが実際にどのように配分されているかを確認する価値があります。100%が目標だと思いがちですが、85-90%のスイートスポットを目指して、再評価することをおすすめします。
キャパシティプランニングをフォローアップする
チームがキャパシティプランニングを行った後のフォローアップや目的がないことがしばしばあります。単なる「プランニングのためのプランニング」ではなく、プランニングアクティビティには目的が必要です。キャパシティプランニングを使用して、チームの状況を確認し、意思決定のための情報を提供し、リーダーに進捗状況やプロジェクトにおけるリソースの利用可能性を伝えましょう。
プランニングサイクルの最初にすべきことは、収集した指標と以前のキャパシティプランニングの状況を確認することです。それから、チームは確立された標準に対して責任を持つように計画を立てたり、次のスプリントでキャパシティを変更する必要があるかどうかを話し合ったりすることができます。また、レトロスペクティブを使用して、チームが作業についてどう感じているか、どのような影響を受けているかについて意見を聞くこともできます。

チームメンバーの空き状況、休暇、離職率など、キャパシティプランニングに影響を与える要因は多岐にわたります。キャパシティプランニングの目的は、一度だけ実施して、たまに追加のプロジェクトを組み込めるかどうかを確認することではありません。チームと連携し、現状で達成可能な成果に基づいて意思決定を行うことです。
効果的なキャパシティプランニングのための作業を可視化する
一般に、より多くの作業を詰め込めると自分自身を過大評価しがちで、そうしたプレッシャーがあるときには安請け合いしてしまいがちです。キャパシティプランニングは、チームが現実的な作業量を維持し、利用可能なリソースに透明性を持たせるための優れた方法です。
Lucid のアジリティアクセルは、チームがつながりを持ち、連携を保つことで、キャパシティについてより情報に基づいた意思決定を行うのに役立ちます。Lucid を使ってつながりを強め、アジリティを高め、チームの働き方を改善する方法をチェックしてみてください。

Lucid について
Lucid Software は、チームが将来を見据え、アイデアから現実へと具体化させるためのビジュアルコラボレーションと業務加速のスイートを提供しています。その製品には、Lucid ビジュアルコラボレーションスイート (Lucidchart と Lucidspark) と airfocus が含まれています。Lucid ビジュアルコラボレーションスイートは、ビジネスのアジリティ、クラウド、プロセス変革のための強力なアクセルと組み合わせることで、組織が業務を効率化し、連携を促進し、大規模なビジネス変革を推進できるよう支援します。AI を活用したプロダクト管理・ロードマッピングプラットフォームである airfocus は、チームが作業に優先順位を付け、製品戦略を定義し、実行をビジネス目標に合わせて調整できるようにすることで、これらの機能を拡張します。フォーチュン 500 企業で最も使用されている業務加速プラットフォームである Lucid のソリューションは、Google、GE、LINE など、世界中の大企業で1億人以上のユーザーに信頼されています。Lucid は、Google、Atlassian、Microsoft などのリーダー企業と提携し、その製品、成長、職場文化において数々の賞を受賞しています。
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