BambooHR

通常であれば、BambooHR での戦略計画会議は、司令室と化した会議室に経営陣が集まり、隙間なく書き込まれたホワイトボードを前に、ドーナツの箱やコーヒーカップ、付箋やマーカーがテーブルの上に散乱するというスタイルが一般的でした。しかし、コロナ禍に伴いチーム全員がリモートワークに移行を強いられる中、同社の CEO を務める Brad Rencher 氏は、三か年計画の立案会議がこれまでとはまったく違った形となることを分かっていました。問題は、今年のセッションを具体的にどんなものにすべきかという点でした。

「三か年計画の更新をどう進めるべきか、頭を悩ませていました。メンバーに可能性に目を向けてもらい、挑戦的なビジネス哲学を受け入れてもらえるようにするには、どうすべきか。盛り上がりに欠けるまま、Zoom 会議で5時間もリモートで向き合うとしたら、参加者の士気が暴落しかねないと心配していました。」

リモート勤務でメンバーが同じ部屋に揃わない状態でも方向性を一致させ、やる気を高める方法を模索していたとき、すでに社内で導入済みの作図ソリューション Lucidchart の姉妹製品、Lucidspark の紹介を受け、バーチャルホワイトボードで対面での会議に近い体験ができる可能性に期待し、Lucidspark を戦略会議のワークスペースに採用することを決めました。

Lucidspark の採用で、BambooHR では対面での会議を超える体験を実現することができました。会議が非常にうまく進んだため、オフィスの会議室での対面形式が再開できるようになっても、PowerPoint や従来のホワイトボードではなく Lucidspark を使い続けることに経営陣全員が同意したほどです。バーチャルホワイトボードの活用で、リモートワークに不足しがちな活気とコラボレーションが復活し、チーム全体で連携して新しいアイデアの実現に向けて動けるようになりました。

エンゲージメントを推進

同氏は Zoom での会議中に参加者の生産性とやる気を保つ方法について心配していましたが、Lucidspark を使ったところ、対面での会議と同等、またはそれ以上のエネルギーと集中力溢れる会議を実現することができました。同氏は次のように説明します。

「バーチャルホワイトボードの活用に関する Lucid チームの提案はすばらしいものでした。会議室でメンバーが実際に集まって会議を進めるときのように、分かりやすく、誰かがホワイトボードの前に立ってアイデアを書き留め、みんなが『それだ！』と叫ぶようなリアルな体験が実現できたのです。」

チーム全体で顧客、製品や競合他社など、議論すべきさまざまな戦略の柱を定義して、キャンバスを設定し、それぞれが付箋をボードに貼りながら、各分野の目標についてブレインストーミングを始めました。無限に広がるキャンバスに付箋や色が飛び交い、メンバーが積極的に参加するのを目にするのはとても楽しい体験だったと同氏は語っています。

全員のアイデアがボード上に集まり、議論が始まると、Lucidspark のもつ力が実感できるようになりました。

「参加者一人ひとりの考えがホワイトボード上に出揃い、コンテキストに沿った議論が始まったとき、この会議はきっと成功すると実感できました。それぞれが自分のアイデアを分かりやすく説明し、キャンバス上でリアルタイムで他のアイデアと結びつけていくやり取りを目にしていると、議論が円滑に、活発に進んでいることが感じられたのです。」

同氏によれば、重要なのは、製品の特徴や機能そのものではなく、こうした機能を活用してバーチャル会議室内で生まれる会話やアクティビティです。BambooHR のチームにとっては、Lucidspark の機能が今後3年間の成功の基礎を築くひらめきの瞬間を作り出しました。

将来のリモートワークのあり方を定義

Lucidspark の導入で、同氏のチームは効果的なワーキングセッションを手軽に実現できるようになりました。参加者全員が Lucidspark を初めて使ったにもかかわらず、製品を開いてからわずか数秒で最初のアクションを起こすことができ、使い方に試行錯誤することもほぼなく、チームはすぐに会議の本題に入ることができました。

無限のキャンバスを活用することで、新しいアイデアやつながりが無限に出てくる可能性も生まれました。各自が作業スペースを確保しながらも、注意を惹く機能でファシリテーターがいつでも簡単にチーム全員をホワイトボードの特定のエリアに呼び戻すことができる点が特にチームの人気を呼びました。

共同編集者の色分け機能を使えば、グループ内の参加者全員に固有の色がそれぞれ割り当てられ、誰が何を追加したかが確認できるようになります。「色分けすることで調整もしやすくなり、参加者の関心がボードのどこにあるのかも見やすくなりました。CEO としては、皆の注意がどこにあり、何を検討しているかを確認したいのです。」

Lucidspark は、会議の議論を推進し、方向付けることに貢献しました。自分のチームを「おしゃべり好きで情熱的なグループ」と表現する同氏は、特定のテーマに時間を費やしすぎ、次のテーマに進む必要があるときに気づく上でタイマーが特に役に立ったとしています。

しかし、最も重要なのは、バーチャルホワイトボードを使うことでメンバーが一箇所に集まり、インタラクティブにコンテキストを収集できるようになったことです。今後、リモートワークが普及する中では、こうした機能が重要な鍵となるはずです。

「グループ会議のファシリテーターとしては、コンテキストを追加できるアプリケーションが欲しいものです。当社では長年、ホワイトボードやスライドを使用してきましたが、これからの働き方として、リモートでの会議参加が定着していくでしょう。会議のコンテキストを伝えるファシリテーター、議論の調整役として機能する製品が必要となるはずです。オフィスで会議を行う場合でも、画面に Lucidspark を投影してワークスペースとして使用し、議論している内容の背景を提供し、調整に役立てたいと思っています。Lucidspark は、今後、将来の働き方を支える強力な製品になる上で、すばらしいスタートを切ったと考えています。」

前進のためにチームメンバー間の意見を調整

生産的なブレインストーミングができても、その成果として生まれるアイデアに対してチームとしての合意形成ができなければ、行動にはつながりません。チームマネジメントの将来の指針を示す存在として19,000社もの顧客から注目を集める BambooHR にとって、この戦略セッションは非常に重要な意義をもつものでした。同社のチームは、前進のために必要な調整を進めるには Lucidspark の投票機能が鍵となることを発見しました。

ブレインストーミングが終わると、チームはテーマごとに付箋を整理し、残ったアイデアについて投票しました。Rencher 氏はその体験をこう語っています。「投票は楽しく、対面で会議を行うときよりも、メンバー間の調整がうまくいきました。」

投票のプロセスを経ることで、確度の高いアイデアを全員で明確に特定でき、その実現に向けて次のステップに進めるようになりました。会議の成果に心底感心した同氏は、終了後に Lucid のCEOに「お陰様で、今日の戦略会議は大成功でした」とのメールを送ったと言います。

BambooHR のチームでは今後も Lucidspark をワークフローの一部に組み込んでいく予定で、同氏は数時間に及ぶ2021年の OKR 計画会議でもこの戦略計画ソフトウェアを使うことにしています。4時間の戦略会議の体験を経て、Lucidspark は働き方の未来を見据える BambooHR チームにとって欠かせないツールとなりました。

「参加者のカメラがオフで真っ白な画面に向かってただ話していて、バーチャル会議がうまくいかないのはよくあることですが、何時間もかけて戦略会議を行う場合には、CEO である私が参加者全員の頭や心から本当の意見を引き出し、最善の決断を下すことができるかが重要なポイントとなります。他のオンラインコラボレーション製品を試しましたが、色分けや投票などの機能が揃い、1つのキャンバスであらゆる用途に使える柔軟性をもち、ダイナミックに活用できる Lucidspark の導入で、チームの会議がまったく別の次元に到達しました。あとはこの戦略を、向こう3年間繁栄し続けるビジネスの実現に応用できればと考えています。Lucidspark を試し、生産的な会議が行えるようになったことにとても感謝しています。」