スプリントプランニングはスクラムの要であり、スプリントを開始するイベントです。スクラムチームが次のスプリントに向けて準備を整えるのに役立ちます。

では、スプリントプランニングはいつ開催し、何を話し合い、誰が参加するべきものでしょうか?このガイドでは、これらの疑問すべてにお答えし、スプリントプランニングをより効果的に行うためのヒントをご紹介します。

スプリントプランニングとは?

スプリントプランニング (スプリント計画) は、スクラムにおける5つのイベントの1つで、スクラムチームが現在のスプリントの優先事項について話し合い、スプリントの目標(すなわち、そのスプリント期間中にチームが達成しようとする内容)を定義します。ミーティングでは、スプリントのインクリメントを確実に提供し、イテレーションの終わりまでにステークホルダーに価値を届けるために十分なコンテキストをチームに与える必要があります。

スプリント計画を理解する

「スプリント計画」はプランニングセッションの成果を指す一般的な用語ですが、アジャイルの正式な用語ではありません。チームが実際に作成するのはスプリントバックログで、これはイテレーションのためのリアルタイムの計画です。

このプロセスの目的は、次のスプリントのインプットとアウトプットの両方を含むロードマップを作成することです。インプットは、計画が実現可能かどうかに影響する要素です。これには、過去のスプリントのベロシティや完了したバックログ項目の数の履歴、チームの有給スケジュールなどが含まれます。スプリントプランニングのアウトプットは、スプリントの目標とスプリントバックログです。

スクラムフレームワークを使っていないチームでも、イテレーションプランニングと呼ばれる同様のミーティングを行うことがあります。このミーティングは、チームが今後の作業の優先順位と実現可能性を評価し、イテレーションの目標を設定するという点で、同様の目的を持っています。

スプリントプランニングを行うタイミング

スプリントプランニングミーティングは通常、スプリントの初日に実施しますが、スプリント開始の前日に実施するチームもあります。

スプリントプランニングの参加者とその役割

スプリントプランニングの主な参加者はプロダクトオーナーと開発者です。

プロダクトオーナーは、スプリントの内容と目的について責任を負います。ミーティングでは最初に、実施すべき作業について説明します。ただし、プロダクトオーナーがスプリントに作業を押し込むのではなく、チームが実行可能かどうかを見極めてスプリントに作業を取り込むことに注意してください。

開発者は、いつ、どのように実行するかを担当します。ミーティングの第2部では、プロダクトオーナーから提示された作業の具体化に取り組みます。必要な作業をさらに分解し、バックログ項目の規模、説明、形式を評価します。最終的に、スプリントバックログ、つまりプロダクトバックログから取り込んだ項目と、それらの項目を完了させる方法の詳細を作成します。

スプリントプランニングは誰が運営するのかと疑問に思うかもしれませんが、実際にはミーティングを「運営」する人はいません。チーム全体で協力し、スクラムマスターは軽く進行役を務めます。スクラムマスターの役割は、バランスを取り、何が現実的かをチームに思い出させることです。特に、プロダクトオーナーがやるべきことを過度に押し付けたり、開発者が作業に時間をかけすぎたりしている場合は、その役割が重要になります。

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スプリントプランニングの長さ

スクラムガイドでは、1か月のスプリントの場合、スプリントプランニングに最大8時間を確保することを推奨しています。2週間のスプリントの場合は、スプリントプランニングは最大4時間となります。言い換えれば、一般的な目安としては、スプリント期間1週間につき2時間のスプリントプランニングを確保するということです。

スプリントの長さ以外にも、スプリントプランニングにかかる時間に影響する要因はいくつかあります。たとえば、チームはどれくらいの期間その取り組みを行ってきたか、その取り組みは新たなものなのか、それともほぼ完了しているのかといった点です。バックログの見直しとファシリテーションがうまく行われると、ミーティングの時間は短くなります(3時間以内)。

スプリントプランニングミーティングが8時間に及ぶ場合、事前準備が十分でなかった可能性を示す警告サインであることがよくあります。

スプリントプランニングの議題

スプリントプランニングの議題は通常、オープニング、プロダクトバックログのレビュー、スプリントの目標、スプリントバックログの作成、スプリントバックログのレビュー、およびクロージングで構成されます。

オープニング

ミーティングの冒頭で、スクラムマスターはミーティングの目的とタイムボックスについて簡単に説明します。

チームはまた、対応可能なチームメンバーやチームの作業日数など、次のスプリントやイテレーションのキャパシティを確認することもできます。

プロダクトバックログのレビュー

次に、プロダクトオーナーは、検討のために優先順位付けされたプロダクトバックログ項目の一式を共有します。ここでチームは、スコープと価値、受入基準、および依存関係を明確にします。この議論の多くはバックログの見直しの中で行うべきものですが、それ以降に新しい項目や情報が出てきている可能性もあります。

スプリントの目標

この段階のミーティングでは、チームは協力してイテレーションのハイレベルな目的を定義します。一定量のタスクに焦点を当てるのではなく、チームはステークホルダーに提供する予定の具体的な価値を特定する必要があります。

スプリントバックログの作成

必要に応じて、チームは目標達成に必要なプロダクトバックログ項目を選び、それらをより小さな作業項目に分けて計画を作ります。チームは、依存関係、リスク、潜在的な障害を特定し、イテレーション中に作業をどう進めるかを計画する必要があります。

スプリントバックログのレビュー

この段階で、チームはスプリントバックログを確認し、全員の認識が一致していることを確認します。ここで、残っているギャップ、懸念事項、またはアクションを特定します。

クロージング

ミーティングを円滑に終えるために、数分の時間を確保します。議論の途中で唐突に終了するのは好ましくありません。チームがスプリント計画に自信を持つことが重要です。

スプリントプランニングミーティングを効果的に進める方法

アジャイルスプリント計画の基本を超えて、スプリントプランニングミーティングを効果的に進める方法を学ぶ準備はできましたか?経験豊富なアジャイルコーチの Bryan Stallings と Jessica Guistolise が、スプリントプランニングを効果的にするためのベストプラクティスを共有しました。特にスクラムマスターに役立つ内容です。

見直して優先順位付けしたプロダクトバックログを用意して参加する

見直しされておらず、優先順位付けもされていないプロダクトバックログをスプリントプランニングに持ち込むと、ミーティングは長くなり、バックログの見直しに終始することになります。プロダクトオーナーは、スプリントプランニングを開始する前に、次のスプリントとそのさらに半分(またはイテレーションとさらに半分)を見直し、優先順位付けしておく必要があります。それ以上先に進むと、それらの項目が現れたときにはチームがその項目に関するやり取りを忘れています。「必要な分だけ、必要な時に」という考え方をモットーにしましょう。

たとえ見直して優先順位付けしたバックログを用意してきても、スプリントレビューやレトロスペクティブから別のものが入ってきて、それらをスプリントに追加する必要が生じる場合があることを覚えておいてください。

スプリントプランニングの前にチームにプロダクトバックログへのアクセス権を付与する

スプリントプランニングの準備と並行して、チームがストレスを軽減するためにプロダクトバックログをスプリントプランニングの前に確認できるようにすると便利です。チームが事前にバックログを確認する機会がない場合、スプリントプランニングミーティングで驚くことになる可能性があり、その結果、リスク回避的になったり、見積もりが膨らんだりする可能性があります。

プロダクトバックログを共有するために、Lucid などのビジュアルキャンバスの使用を検討します。チームメンバーは付箋や絵文字などを追加することができ、ビジュアルは後で信頼できる唯一の情報源として使用できます。

Product Backlog

Lucidspark のプロダクトバックログの例。このテンプレートを自分用にコピーする

プロダクトオーナーと現実的な期待を設定する

プロダクトオーナーがよく犯す間違いは、過去のスプリントから現在のスプリントに同じ数の項目を持ち込むことです。ミーティングにはイテレーション1回分に加えてさらに半分の項目を持ち込む必要があります。そうすることで、議論やスプリントへの取り込み対象となる項目を十分に確保でき、もし特定の項目について未解決の課題があり、そのスプリントで着手できない場合でも対応できます。または、スプリント内の項目の所要時間が短くなると推測される場合、プロダクトオーナーは追加のバックログ項目を用意することができます。

開発以外のアクティビティを考慮する

ミーティング、トレーニング、その他の組織的責任など、開発以外のアクティビティにも、キャパシティを割り当てることを忘れないようにしましょう。これらのアクティビティを追加することで、チームはより現実的な計画を立て、過剰なコミットメントを避けることができます。

チームにスプリントバックログを所有させる

スクラムマスターはタスクやバックログ項目を割り当てるべきではありません。代わりに、チームメンバーがスプリントバックログを確認して、次のような点を検討します。

  • 身につけたいスキルはあるか?

  • この作業が得意な人は誰か?

  • チームとしてどのように進めるか?

現実的なコミットメントを推進する

チームがスプリントプランニングに慣れていない場合、過度にコミットしてしまうことがよくあります。これは、喜んでもらいたいという思いや、チーム外の依存関係に対する認識不足が原因である可能性があります。熱意は評価されますが、1つのスプリントで達成できることについて過度に楽観的すぎると、チームに悪影響を及ぼす可能性があります。スプリントの終わりに複数の項目を後戻りさせることは、チームに余力がある場合にスプリント中に新しい項目を追加するよりも困難です。

過剰なコミットメントを防ぐためには、アジャイルチームのキャパシティプランニングを意識することが重要です。スクラムマスターは過去のスプリントを参照し、チームに「検査と適応」を促すことで、現実的なチェックを行うことができます。つまり、チームが何を達成できるかを批判的に見直し、スプリントの目標やバックログをそれに応じて調整させることを意味します。

ミーティングに安心感と信頼感をもたらす

スクラムマスターは、ミーティングにおいて透明性とオープンなコミュニケーションの雰囲気を作り出す必要があります。キャパシティに関して懸念を表明したり、質問をしたり、誤解を明確にしたりすることに、ためらいを感じさせてはいけません。

バックログの見直しとスプリントプランニングの比較

バックログリファインメントは、通常プロダクトオーナーが担当し、スプリントプランニングミーティングに持ち込む前に、今後の作業を把握し、プロダクトバックログ項目に関する質問への回答を得ることが含まれます。

スクラムガイドにはバックログリファインメントミーティングの具体的なアウトラインは定められていませんが、スクラムチームの間では一般的に行われています。他のチームでは、バックログリファインメントを非同期的に実施することもあります。

PI 計画とスプリントプランニングの比較

スプリントプランニングが、次の2週間程度の作業計画を提供することを意図しているのに対し、プログラムインクリメント(PI 計画またはビッグルームプランニングとも呼ばれる)は、チームの次の2~3か月を導くことを意図したハイレベルな計画セッションです。スプリントプランニングは、スプリント単位で PI 計画の達成をより詳細に検討するものです。

PI 計画はスクラムガイドで必須ではありませんが、チームにとっては良いプラクティスであり、多くのチームが複雑なものを作る場合によく使われます。スクラムチームが1つか2つしかない小規模な組織では、PI 計画は必要ありません。

Lucid のスプリントプランニング例

スプリントプランニングツールである Lucid の以下のテンプレートを使えば、時間を節約し、一貫性のある魅力的なスプリントプランニングミーティングを進めることができます。

詳細なスプリントプランニングテンプレート

このテンプレートには豊富なリソースが用意されており、チームがスプリントプランニングの各ステップを進められるようガイドします。ファシリテーターツール、Lucid カード、ビジュアルアクティビティといった機能がテンプレートに組み込まれているため、チームの集中力を維持し、作業をプロジェクト管理ツールへ反映させ、提案されたスプリントプランに対するチームの感情を把握することができます。

sprint planning

このテンプレートを使用するには画像をクリックします。

シンプルなスプリントプランニングテンプレート

もっとシンプルなアプローチをお望みですか?このテンプレートには、チームが次のスプリントを計画するために必要な基本的なステップが含まれています。

Simple Sprint Planning

このテンプレートを使用するには画像をクリックします。

スプリントプランニングミーティングのテンプレートとチームルーム

このテンプレートは、実際のチームルームのユーティリティを模倣したもので、チームの一体感とコラボレーションを高めます。

sprint planning meeting template and team room

このテンプレートを使用するには画像をクリックします。

Lucid は、次のスプリントプランニングミーティングだけでなく、すべてのアジャイルイベントを向上させることができます。ファシリテーションとコラボレーションのために構築された機能、無限キャンバス、すぐに使えるテンプレートなどにより、Lucid はハイブリッド、テレワーク、または対面でのチームのアジャイルコラボレーションを簡単にします。

アジャイルの取り組みにおいて、Lucid がどのようにチームを支援できるかについて詳しく学びましょう。

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